18th August 2017
Foreign, Commonwealth & Development Office Blogs
A unique insight into UK foreign and development policy
14th February 2017 Tokyo, Japan
日本滞在一ヶ月目
さて、大使として着任してから一ヶ月になります。25年以上前に初めて駐在したときの日本と、今の日本の違いを比べるのも楽しみの一つです。初めての海外赴任で受けた日本の印象と、時を経て大使として戻ってきた今を、単純に比べることはできませんが、ずっと良い思い出として覚えているものが、新しい魅力的なものと融合されている今の東京を見ると嬉しく思います。 東京は、人口が4千万人近い大都市圏の中心に位置する活気に溢れた大都市です。斬新な建築物が多く、特に東京湾の周りで増えたように感じます。しかし、ロンドンと同様、少し歩けば、日本の豊かな歴史を感じさせるものをすぐ見つけることができます。 1月18日に天皇陛下に信任状を捧呈した際にも日本の深い歴史を再認識しました。モーニングスーツを身に纏い、馬車に乗って向かった皇居宮殿では、捧呈式が厳かに執り行われました。日本の天皇家は世界で最も古くから続く皇室です。 安倍総理が日本語を話す駐日大使を招いて主催される昼食会と、私の着任の時期が合い、総理に早速お目にかかることもできました。以降、大臣や政府高官を表敬訪問してきました。訪問時にも、日英二国間の間だけでなく、日本が昨年議長国を務めたG7や国連などの国際機関における日英協力も非常に重要であることを互いに確認しました。 大使館にとって企業をサポートすることも最優先事項の一つです。そのため、経団連や英国商工会議所でもスピーチを行わせて頂きました。複数の大手英国企業から経営トップの方々をお招きした大使館主催の朝食会では、各企業から日本での活動についてご紹介頂きました。また、原子力やフィンテックなど多岐に亘るセクターにおいてビジネスをサポートするため、数々のイベントを大使公邸にて開催しています。日本企業は英国のEU離脱に深く関心を寄せておられ、メイ首相の明確なスピーチは歓迎されました。 英国は大阪に総領事館がありますが、総領事館への訪問は、必ず着任した週にすると決めていました。早速、領事館の職員や大阪の実業界を牽引されている方々とお会いすることができました。韓国とほぼ同じ経済規模を誇る、関西は我々にとって重要な地域です。 そして、申し上げるまでもなく、日英二国間の関係は官僚や企業同士だけでなく、個人の繋がりの積み重ねで構築されています。私自身もまた、古い日本の友人との再会を、楽しんでいます。
11th January 2017 Tokyo, Japan
思い出深い日本に再度赴任

初めまして。4年間の大役を務めあげた友人、ティム・ヒッチンズから引き継ぎ、私は新しい英国大使として1月に来日しました。今月18日の信任状奉呈式を経て、正式に就任します。 私が日本を初めて訪れたのは1982年で、欧州の若者向けのエッセイ・コンテストで優勝し、日本の外務省が企画した研修ツアーに参加しました。そこで私の人生が変わりました。日本という国に大変興味を持ち、当時勤務していた貿易産業省(DTI)で日本に関わる仕事をしたいと願い出たところ、日本担当課長に任命されました。そしてその後、英国の外務省(FCO)に出向、ロンドン大学で日本語を勉強し、日本の英国大使館に勤務することとなりました。 鎌倉の語学学校で一年間勉強した後、1989年から1992年まで駐日英国大使館で経済・貿易政策を担当しました。日本企業や日本人の国際化が進んでいたバブル経済真っ最中の日本で働けたことは、私のキャリアで貴重な経験となりました。平成の始まりにも立ち会いました。九州や北海道でのホームステイを含め、日本中を旅したことも思い出に残っています。伊東市で毎年開催される按針祭にてウィリアム・アダムス(三浦 按針)の役を演じたこともありました。 そして私の出身地であるイングランドのオタリーと、名前が似ている日本アルプスの麓の小谷(おたり)村を、姉妹都市として結ぶための手助けもしました。このように、仕事上のコンタクトだけではなく、日本の方々とも幅広く交流を持つことができました。 日本での経験があったこともあり、1992年以降もアジア太平洋地域への海外赴任が多く、シンガポール及びオーストラリアでは大使を務めました。正確には、両国とも英連邦の国なので、大使ではなく「高等弁務官」と呼びます。米国ワシントンの英国大使館で勤務していたこともあります。そのため、定期的に日本に出張や旅行で戻ってくることができました。また、2005年の愛知万博では、賞を受賞したイギリス館を責任者として率いました。 これからの4年間、ビジネス、外交、安全保障、科学技術など、幅広い分野において日本と英国の関係をより深めていきたいと思っています。そして、もちろん、2012年のロンドン大会の経験を生かし、英国は2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会が素晴らしいものとなるようサポートしていきます。 私も妻のセーラも日本に戻ってくることをとても心待ちにしていました。私たちの結婚生活は東京で始まり、また、長男も東京で生まれました。東京は私達にとって思い出深い場所なのです。