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あの津波から六年。日本の立ち直る力

3月11日、東日本の方々が地震、津波、原発事故に遭われてから6年が経ちます。世界中の誰もが、テレビで見た映像を忘れることはないでしょう。過去数十年間に日本国内で起きた最大の深刻な出来事であったと思います。

私は日本に到着してすぐに自分の足で被災地を訪れ、犠牲者に哀悼の意を表したいと思っていました。そして先週、最も深刻な被害を受けた都市の1つである福島県南相馬市を訪れました。桜井市長にお会いし、その被害の大きさについて直接お話を伺うことができました。1千人以上の方々が亡くなり、自然災害の余波により、それ以上の方が行方不明になりました。当時は、家屋の破壊や放射能の影響をさけるため、6万人もの方が、避難を余儀なくされたそうです。

緊急対応本部も訪問し、いまだに残る建物への被害を見て、17メートルの津波による惨害の規模を感じました。被害者の記念碑のうちの一つを訪れた際、運転手の方が彼自身のご家族の名前を指差されました。おひとりおひとりの被害者を思うと、さらにいたましく、私は、敬意を示す伝統的な行為である、お焼香をさせて頂きました。

地元の方々の立ち直ろうとする力に非常に感銘を受けました。しかしながら、多くの方はまだ家に帰ることができず、一部の方は仮設住宅に住み続けざるをえず、復興に向けて進んではいても、取り組むべき課題はまだ残っていることを感じました。

福島第一原子力発電所を訪れたときも、また、立ち直る力について考えました。放射線モニターを含む適切な安全装置を着用し、原子炉等の現場を見学しました。東京電力の方々と地元の建設労働者の方々の努力により、危険物は安定状態が維持されていると伺いました。正直に言うと、私は原子炉に行くことに少し不安を感じていましたが、大使館の専門家から、そこで受ける放射線の量はロンドンから東京に飛行中の大気放射よりも少ないと説明を受けました。現在、東京電力は労働者や地元住民の安全を確保しながら、汚染された物質を取り除くという長期に亘る任務を遂行されています。私は200名の職員の方々に向けて励ましのスピーチをさせて頂きました。

英国の政府と原子力産業は、この困難な時期を通じ、日本をサポートして参りました。英国は廃炉に関する幅広い経験があります。同時に、日本企業とは、英国での新しい原子力発電所の建設参加に関して詳細な意見交換を行っています。また、安全とセキュリティの分野でも引き続き協力していきます。両国の原子力に関わるつながりは、これからも、より強くなることでしょう。

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